クローデルと日本
「姉はすばらしい芸術家で、かぎりなく日本にあこがれていました。こんなわけで、日本の版画や本を見る機会がたびたびあり、私もひどく日本に惹かれていました。」この姉とは、ロダンとの愛で知られる薄幸の彫刻家カミーユ・クローデルです。
クローデルが旅行者としてはじめて日本を訪れるのは1898年です。その後、1921年から1927年まで駐日フランス大使を勤めました。
滞日中は、日仏をとりまく国際情勢に眼を配る一方、日本の風物に親しみ、古典芸能を愛し、画家や文人と交わり、庶民にも暖かい眼差しを向け続けました。
こうして生まれたのが、舞踊劇『女と影』、随筆集『朝日の中の黒鳥』、俳句風の短詩集3編『四風帖』、『雉橋集』、『百扇帖』、そして戯曲『繻子の靴』です。